ふる里伝承記録映画 第2作
山根六郷の四季
『山襞(やまひだ)の食らし』
「山ひだの食らし」は、久慈市山根六郷に伝わる食文化と年中行事をテーマとした16ミリフィルムの伝承記録映画です。
山根六郷の人々の暖かいご協力により制作出来ました。
雪の山から伐る出された、栗の大木から水バッタを復元します。里では稗のボッタ捲きが行われ、初夏には虫祭りをして天の恵みを待つのです。
収穫の秋、雑穀の取り入れや牛のセリ市、農神様への感謝などが行われ冬支度を終えるのです。…六郷の味はでんがく豆腐が主役です…。
10年ぶりに水車が復元され、山根六郷のシンボルができました。順番を待って雑穀を播くおばあちゃんの姿に本物のふる里を見ました。
山根六郷は、次代に夢を託せる「もうひとつのふる里」です。(45分)

小正月のエビラ飾り

虫まつり

主役はでんがくどうふ
生活美の象徴〜エビラとオニヤライ〜
小正月は女の年とり、早く支度をして歳をとるという。端神郷の橋場家では今でも「エビラ」をしっかり伝承している。先人の生活の知恵が生み出した祈りを楽しく、そして美しく表現する様子は、心の安らぎと春を待つ「ふる里人」の心を反映したものだろうか。

神秘の虫祭り
農作物を害虫から守らなければならない。しかし、それをあえて「虫祭り」と呼ぶのは何故なのか。
「さしとり」の筒に虫を入れ、虫たちの昼飯を麦わらの人形に背負わせて川に流す。自然との共存を願う先人の優しい心根にさとされるものがあった。

実りの秋は悲喜こもごも
収穫の秋・傾斜地での雑穀の取り入れは大変な作業。今なぜ水車が作られたのか、「山間畑作地帯の食文化を伝承するには、種播きも、その加工もすべて伝統的な方法でやりたい」と、村人は語った。

あすの営みに祈りをこめて
山根白目玉大豆は山根が原産地。大豆なくして六郷の食生活は語れない。六郷のでんがく豆腐には味を越えた優しさがあった。シダミやトチモチの香りと味は、いにしえを語りかけてやまない。

万作の咲く明日に夢を託して
雪深い六郷の冬、保存食を手間目に作っておき、生活の糧とする。生活の技や知恵が試されるときでもある。
きびしい風土に培われた六郷の「心と味」の伝承。

 万作の咲く明日もふる里を語りたい…

撮影期間 昭和59年〜平成元年

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