ふる里伝承記録映画 第1作 山根六郷の四季 『麻(いど)と暮らし』 永く伝承され、私たちのくらしを支えてきたふる里の「技や心」の多くが今、すたれゆく運命にあります。 拓かれゆくまち、明るく豊かな未来の創造、そのためにも私達は先人の築いた生活の知恵に学び、伝承していきたいものです。 そんな想いを山根六郷に託し、昭和20年代までどこの家でも行われていた、麻の栽培から麻布のできる過程を経て異糸に、六郷の四季と里人の暮らしの一部を記録した映画です。 山根六郷の人々の技や心、そして自然の豊かさを正しく伝承しながら、明日の生活に真の豊さを模索すべく、昭和58年伝承記録映画づくりに取り組みました。(60分) |
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![]() 麻の収穫 ![]() 麻のバタ織り ![]() 麻布の雪さらし |
麻布のできるまで ●秋に採った麻(いど)種は「いどざくら」が(こぶしの花)咲く頃、苧坪(おつぼ)にまかれました。 麻の種まきから77日目、麻は3メートルにも成育し、麻の収穫(麻引き)が行われた。蒸し釜で3時間程麻を蒸し、天火乾燥します。 ●秋仕舞いの終わる頃、乾燥した麻を水に浸し、皮をはぐ「イドはぎ」が行われます。はぎとった皮を「オヒキ」をして麻の繊維が取り出され、陰干しをします。 ●麻は爪の先で細く裂かれ、ひざのうえで継ぎあわされていきます。延々と続く糸おみは気の遠くなるような作業で、つらかったと古老はいう。 おみあがった糸はヘソ巻きにし、糸よりの作業を待つのです。 ●幾つもの工程をへて、地機にハタカケが行われましあた。待ちにまった機織り作業です。機織り作業は思ったより早く、2日で一反は織るといいます。 ●織り上がった麻布は、鉄釜で煮てアクダシが行われ、冷たい水で何回も洗われました。布目をたてるのです。真っ白な雪の上に麻布を広げ、雪さらしをします。 2週間後、家の前の小川で水洗いをしハセにかけ、天日にさらします。 ●畑の雪も消えた4月半ば、40年ぶりに麻布が再現されました。布目の一つ一つがフクさんの技、玉の汗にも似て輝いていました。 フクさんは織りあげた麻布でとうふ袋を作りました。 撮影期間 昭和58年〜60年・完成61年10月 |